与那国島
7月19日〜7月21日 2泊3日


27日目:7月19日(火) 晴 走行距離/累計10km(宿⇒石垣港)8.9km(与那国島)/1,093.3km
宿(石垣市宮良)⇒ 石垣港離島ターミナル - フェリー ⇒ 久部良港(与那国島)⇒ 宿 ⇒ 久部良バリ ⇒ 宿
宿泊:民宿はいどなん(与那国島久部良)
「フェリーよなぐに」乗船する前に係員に自転車を預けた。乗船券3,460円、自転車運賃1,150円。
船の要目
・総トン数:498t 全長:67.5m 全幅:11.5m 
・航海速力:17ノット 旅客数:150人 主機:ダイハツ4000馬力  
・造船所:山中造船波方工場 竣工:1988年12月

乗船客は合計8名。年配の夫婦、若い女性2人連れ、女性1人、男性別々に2人。2段ベットの部屋もあるが、全員カーペット敷きの和室にいる。離島ターミナルからは頻繁に高速船が出て行く。甲板で海風に吹かれながら遠くになっていく石垣島を見つめる。4時間半の船旅なのでゆっくりとする。このフェリーで与那国島への往復は、ひどく揺れて殆どの乗船客が船酔いするとネットに記事があった。季節によると思うが穏やかな海で揺れも少なく快適。部屋で本を読みしばし寝た後に船橋へ行く。操舵室へは入れないがウィング(張り出し)から大海原を見て爽快な気分になる。

大きな鳥が3羽フェリーの近くを飛んでいる。カツオドリだ。悠々と飛んでいると急に低空飛行を始め海面すれすれを飛んでいる。すると、その先にトビウオが海面を飛んでいる。カツオドリはトビウオを後方から追い詰めてぱくっと一口。上空からいきなり海の中へダイビングするカツオドリもいる。与那国島の久部良(くぶら)港が見えるところまでずっとフェリーの周囲を飛んでトビウオを食べようとしていた。この狩りの光景は見ていて飽きなかった。トビウオはフェリーに驚いて海面を飛ぶのだろう。それを知っているカツオドリはフェリーの航走中に周辺を飛んでいるわけだ。狩りの瞬間の写真を撮ろうとするが動きが早くてこのデジカメでは撮れない。
近くにいる男性が一眼レフでしきりに写真を撮っている。彼から鳥と魚の名前を聞かれたので説明した(多分、間違っていないはず)。
カツオト゛リ カツオト゛リ カツオト゛リ

西崎
久部良港
西崎(いりざき)が見えて灯台もある。こじんまりとした久部良港へ入港。
岸壁に下りてしばらくして係員が自転車を持って来てくれて一言「この自転車いいですね〜。高かったのでしょう」。

歩いている小学生に宿を聞いて宿の「はいどなん」へ行く。宿は港のすぐ近くにあった。荷物を宿に置いて周辺をサイクリングする。

久部良バリへ行く。海岸近くの巨岩に大きな割れ目がある。かつて人減らしのため妊婦をこの割れ目に飛ばさせたという悲話がある。
「日本最後の夕日が見える丘」がある。ここから見る夕日は素晴らしいだろう。夕方に来てみよう。
久部良バリ 久部良バリ

日本最西端之碑
西崎灯台
きつい上り坂を走り西崎(いりざき)へ行く。日が沈む方角なので「にし」と呼ばず「いり」と言う。
「日本最西端之地」の石碑がある。万歳!!! これで日本列島の東西南北の端へ自転車で行ったことになる。
東(納沙布岬/根室市)
西(ここ与那国島)
南(波照間島)
北(宗谷岬/稚内市)
展望台に与那国島から各地への距離(km)を示したプレートがあった。石垣:117、那覇:509、東京:2,112、台湾:111、香港:951、ソウル:1,500、北京:1,833、マニラ:1,124、シンガポール:3,278。やはり、この地は東京でなくアジアへ向いた国(与那国)だと思う。

宿へ戻り夕食の後に「夕日が見える丘」へ行くと何人か海を見ている。フェリーで鳥や魚の写真を撮っていて話をした男性がいた。水平線へ沈む夕日を期待していたが、水平線のかなり上で沈んでしまった。地元の人がいて「水平線に沈むのでなくて台湾の山に沈んだ」と言う。そうか台湾の高い山がありそこへ沈んでいくのだ。
夕日が見える丘 夕日

フェリーで一緒だった男性と居酒屋へ行く。この店は男性が泊まっている民宿の1階にあり夕食はこの店だったとのこと。改めてお互いに自己紹介をする。彼(Hさん)は33歳で山口県出身。鹿児島からフェリーで那覇へ着いてから八重山諸島を旅しているそうだ。東京で10年位働いていたが今年 郷里の山口へ戻ったとのこと。彼の父親は小生と同じ年齢の63歳。この店はメニューも豊富で美味しい。
突然、照明が暗くなった。この島でも節電かと思っていたら、店の人がローソクのついたバースディケーキを座敷にいる家族連れのテーブルに置いた。三歳の男の子の誕生日祝いであった。お母さんが店にいる我々を含む他のお客さんに切ったケーキを差し入れしてくれる。ケーキをつまみに酒を飲んだのは初めてであったが良き思い出となった。
母と子供 バースディケーキ


28日目:7月20日(水) 快晴 走行距離/累計33.5km/1,126.8km
宿 ⇒ 与那国空港 ⇒ 祖納 ⇒ 東崎・東崎灯台 ⇒ 立神岩展望台・立神岩 ⇒ 比川・Dr.コトー診療所 ⇒ 宿
宿泊:前日と同じ
8時半頃に漁協水揚げ場へ行ったらカジキマグロをすでに解体していた。ガイドブックでは朝8時半頃からセリとあったのだが、明朝はもっと早く来てみよう。

今晩の夕食は宿でなくHさんと昨晩行った居酒屋に決めた。今日は島内をぐるっと一周してみる。サンゴのきれいなビーチがあればそこでシュノーケリングするので三点セットを積んで走る。与那国空港がある。こじんまりとしたロビーに入る。「Dr.コトー診療所ロケ地マップ」があった。大判で解りやすいので持っていく。台湾の山並みが写っている写真のパネルがあった。なかなかくっきりと見える時はないそうだ。

祖納(そない)の集落を通り東崎への道を進むと、海岸沿いに墓地群が広がる。巨大な墓から小さいものまで色々ある。

馬が放牧されていて草を食べている。この馬は「与那国馬」と案内板にあったが小振りな馬である。
少し高くなった場所に石垣があり、「ダティクチディ(町史跡)」と説明文に書いてある。
説明文
「1644年(正保元年)尚賢王は琉球官船の航路にあたる諸島に対し、遠見番所の設置を命じ火番小屋を造らせて海上監視や出入りする船の通報などをおこなわせた。三人の番人を置き、船が現れる一人は早馬にて村に至り、「ンネー ンネー」と連呼して船が来たことを伝えた」
今は携帯があり簡単だが、昔は連絡そのものが大変な仕事であったことがわかる。
与那国馬 火番小屋

風力発電風車
東崎灯台
大きな風力発電の塔が2本建っている。青空に白い塔と大きな羽根が映える。

東崎展望台から東崎灯台へ自転車を走らせる。「東」は「ひがし」でなく日が昇る方角なので「あがり」と読む。岬には広大な牧草地があり気持ちがいい。










碑「琉球の風」
立神岩
サンニヌ台展望台があり自転車を降りた。展望台への崖沿いの細い道は崩壊していて通行禁止だった。近くに仲間由紀恵主演のNHK大河ドラマ「琉球の風」の碑がある

立神岩展望台へ寄る。ここから立神岩が遠くに見え海の眺めも最高!! 展望台から進むと立神岩への看板があり自転車を降りて歩くと崖下に大きな岩がすくっと立ち上がっている。神々しさを感じる。







コトー診療所
受付
海岸から離れた丘陵をしばらく走り海への道を下ると比川(ひがわ)の集落へ出た。

「Dr.コトー診療所」への看板があり進むと浜辺に診療所がある。主人公のコトー先生が島内を自転車で走るシーンが何回もドラマで出ていた。
この診療所はドラマの為に新しく造られたセットであるが、離島の診療所の雰囲気がよく出ている。入館料(400円)を払い中を見学すると受付や待合室、事務室、診察室などがある。待合室ではドラマの録画をながしている。
コトー先生が往診に使った自転車も置いてある。このドラマは、フジテレビ系列で2003年7月〜9月の第1シリーズ (全11話)と2006年10月〜122月の第2シリーズ(全11話)として放映された。

コトー先生の自転車
診察室
主なキャスト
・吉岡秀隆(主人公の外科医)
・小林薫(村役場の民生課長)
・柴咲コウ(民生課長の娘で看護師)
・寛俊夫(診療所の事務長)
・泉谷しげる(漁労長)

比川小学校の前を通り浜辺へ進むと広場に大きな幟が立っている。今日はこの集落の「豊年祭」のようだ。準備中の人に聞くと午後1時から祭りが始まるとのこと。時間があるのでシュノーケリングにいい浜辺を探して海に入る。こんなに浅くて岸に近い海でもサンゴがあり大小の魚が泳いでいる。

豊年祭会場
男・棒踊り
祭りの前に食堂へ行くと、「豊年祭なのでお休みです」との張り紙がある。近くの自販機で飲み物を買おうとしたら動かない。仕方なく公民館から祭りの会場へ向かう衣装を着た青年に他の自販機を聞くと場所を教えてくれた。この青年は、プロ野球千葉ロッテマリーンズの下手投げ投手の「渡辺俊介」に似ていた。千葉ロッテマリーンズのファンの娘の家族に報告しよう。
祭りの会場は日除けの大きなテントがあり、地元の人たちが大勢集まっていた。タレントの「宮崎あおい」に似た若い女性が祭りを見ている。司会者の挨拶でNHKの人が来ていると言っているが、彼女はその番組で来ているのだろうか。
与那国町の町長のスピーチ
その1:他の島と比べて砂糖キビの収穫量が少ない。
その2:比川小学校の建て替えで現在地にするのか津波を考えて高台にするのか話し合いたい。
在沖与那国町人会会長の挨拶。そうか、沖縄本島にいるこの島出身者の会があるのだ。「東京・両津の会」のようなものだな。衣装を着た女性や男性の踊りや唄が続く。昔からこうやって先輩たちから受け継いだ芸能である。「棒踊り」をしている男性の中に自販機を教えてくれた渡辺投手似の青年がいた。
隣りにいる地元の人から小さな盃を渡されて泡盛を注いでもらう。とまどっていると「飲んで次の人に同じように渡して」と言う。「旅行中の者ですが・・・」と返事すると、「かまわないので飲んで」と言うので飲んで隣の人に渡した。
女・踊り 女・踊り 女・踊り

テキサスケ゛ート
南牧場周辺
祭りを見た後、防波堤沿いの細い道を進む。本道は丘陵の山道だが、車が通れない海沿いの道の方が快適なのでこちらにした。

海沿いの道の山側に南牧場が広がる。道の真ん中を横断して「テキサスゲート」がある。これまでも2〜3箇所あったが、このゲートは放牧された牛や馬が牧場の外に出られないように道路に設置された溝である。この溝は幅があるので牛や馬も渡れないが、自転車も渡れないので降りて通るしかない。

西崎が見える。久部良の集落中心地へ進み宿へ到着。自衛隊誘致の計画があり賛成派と反対派の横断幕がある。国境の島としての現実に複雑な思いがする。島が二分されてしまうのは哀しいものがある。
賛成派 反対派

「夕日が見える丘」へ行くと、Hさんがいた。雲が邪魔してきれいな夕日は見れなかったので二人で昨晩の居酒屋へ行く。予約で満員とのことでHさんと別れた。何か夕食になるものを買いたいと思い歩いていたら店があり中へ入ると「刺身」や「天ぷら」を売っている。「カジキマグロの刺身」と「魚のフライ」を買う。昨日も買い物をしたS商店へ寄る。この店のオーナーの奥さんは、波照間島出身で昨日も色々話をした。ロング缶を買って宿へ戻った。宿の人に醤油を小皿に分けてもらい部屋で夕食。刺身は思いのほか量が多く満足。


29日目:7月21日(木) 晴 走行距離/累計18.6km/1,145.4km
宿 ⇒ ダンヌ浜 ⇒ 祖納 ⇒ 与那国空港 ⇒ 那覇空港
宿泊:民宿とまりん(那覇市)
朝早く魚市場へ行く。漁船は岸壁を離れるところでカジキマグロは頭と尾を切り取ってありこれから解体するところであった。250kggあるとのこと。ここ久部良漁港はカジキマグロの基地として知られていて毎年7月の第一週に「与那国島国際カジキ釣り大会」が行われている。
漁協 漁船 カシ゛キマク゛ロ

与那国空港発14時なのでそれまで祖納方面で過ごすことにした。空港の手前に「ダンヌ浜」があり本道から海岸へ進む。こじんまりとした浜でサンゴも少なそうなのでこの浜でシュノーケリングはやらないことにした。空港の前の道を進み祖納の集落へ入る。橋を渡り祖納港ターミナルへ行くと大勢のダイバーが休憩中であった。大坂から参加している中年の男性からダイビングのことを色々聞く。
その1:普通のダイバーの潜る限界は40m位で1回終わったら体を考え休憩してから2回目を潜る
その2:沖縄のダイビングショップのオーナーやスタッフはほとんど本土から来た人。
休憩を終えた彼らがダイビングボートに乗り込み沖へ出て行くと再び静寂が訪れた。

近くのナンタ浜はきれいで泳ぐだけなら最高だがシュノーケリングをしたいので別の場所を探す。すこし行くとサンゴが見える入り江がありここでシュノーケリングをする。昨日の比川の海と同じく魚が多く最高だった。与那国島最後の思い出としてこの入り江を選んで正解。
入り江 サンゴの海

祖納の中心街の食堂で昼食。豚しょうが焼き定食にした。やはり、ミニサイズの「沖縄そば」がついていた。

空港へ行くとレンタルバイクで観光中のHさんがいた。祖納で会った女性が那覇へ飛行機で帰るので見送りに来たとのこと。そうだよな、やはり男性にとって女性は大切だよな。しかし昨今の風潮を考えると、女性にとっては男性が大切でないような気がするのはチャリおじさんの感傷か?
定刻の19時に離陸。お客さんは、その女性と男性1名、母親と子供の3人連れと小生の6人だけ。飛行機代が羽田/那覇の片道運賃より2倍もしたが、それでも採算は取れるのだろうか。
さぁ〜これで今回の出発地の那覇に戻りゆっくりとしよう。
琉球エアコミューター機 琉球エアコミューター機


那覇・那覇周辺・長距離フェリー


沖縄本島一周


沖縄の旅


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