7月13日〜7月20日


30日目:7月13日(月) 小雨後快晴 走行距離/累計115km/1,822km
ヨッテボリ ⇒ クングスバッカ ⇒ バーベルグ ⇒ ヒムレ(Himle)
宿泊:ヒムレYH
ヨーテボリYH
整備終了
朝、後ろのタイヤをチェックすると空気が抜けている。前回と同じように空気を十分に入れて走ろうと思ったが、あと4〜5日走れば完走なので予備のチューブに取り替えた。
さらにチェックすると後ろのブレーキが甘く危険。ブレーキワイヤーの長さを調整し完了。後ろのブレーキは頻繁に使うので安全上しっかりとする必要がある。

台所で朝食の用意をしていると同室のイタリアの青年が話しかけてくる。
彼は日本のアニメと漫画が大好きで、昨晩も「北斗の拳」、「アラレチャン」、「ドラエモン」などについて話していた。
朝食中も傍にいて話しかけてくる。
彼「貴方のファーストネームは?」
私「いさむ」
彼「じゃーいさむチャンだ」
私「あのね〜名前の後にチャンをつけるのは幼児と子供だけで大人には"さん"をつけるのだよ」
彼はさらに話したがっていた。こちらは早めに出発したいので悪いが彼の話に付き合っていられない。

小雨の中、YHを出発する。地図はあるのだが次の町まで行くのに迷ってしまった。前から来たサイクリング中の若者に聞くと、「その方面に帰るので後ろについてきて」と言う。私が今まで走って来た道を10分位戻り新しい道へ進む。
走りながら彼と話する。彼は19才、高校を終えてから進路について悩んでいるとのこと。
悩みなさい若者!! おじさんもそうやって来たのだから。フーテンの寅さんの気分になる。
これから行く表示のある所で彼と別れたが彼は今来た道を戻った。わざわざここまで連れてきてくれたのだ。若者よ有難うさん!! 幸せにな〜。

Hemkopで牛乳を買いトイレを借りようとしたら向かい側のガソリンスタンド(GS)にあると言う。GSのトイレは鍵がかかっていて入れない。GSの傍にあるストアでレジにいるおじさんに話すと、レジの傍にあるボタンを押してトイレが使える状態にしてくれた。使用後、お礼を言いボールペンを買いたいと言うと「ない」との返事。諦めて出ようとするとレジに置いてあるボールペンを渡してくれた。
彼「これを使え」 私「代金は?」 彼「いらない」
丁寧にお礼を言ってついでに道も教えてもらった。

快調に走り海岸で遅めのランチ。若い夫婦、小さな子供2人と犬の家族が遊んでいる。のどかな風景だ。別方向をのんびり眺めながら食べていたら犬が傍に来ていて驚いた。
小さな犬で怖さはないがランチの袋の匂いを嗅いでいる。奥さんが犬の名前を呼び謝りながら犬を連れに来た。「食べ物が好きなんです」と笑いながら言うので、「日本の犬も同じですよ」と私も笑いながら答えた。

バーベルグの郊外にマックがあり休憩。コーヒー(中サイズ)15SEK + チョコドーナツ12SEKの計27SEK。コーヒー(小サイズ)は10SEK (130円)。傍のテーブルに小さい子供3人を連れた夫婦がいた。息子のところの孫3人を思い出したので奥さんに子供達の年令を聞いた。長女6才半、長男5才それに次女2才だった。3人の写真を撮らせてもらうが、下の女の子は恥ずかしがって上2人から離れてしまった。その後、下の女の子をもう一度撮ろうとしたら、母親のうしろに隠れて泣き出してしまった。両親と雑談する。日本の孫へのお土産の話になり、父親は外に置いてある私の自転車を見ながら「あのバックでは小さいお土産しか入らないよ」と笑いながら言う。

姉と弟

母親と末娘

海岸沿いの道から離れ牧場の道を走りYHに到着。スウェーデンの現金のみで5,000円を369SEKにヨテボリで両替しておいてよかった。
2階の部屋でツインベットに一人のみ。居間に昔の機織り機やミシンが置いてある。

ヒムレYH

ヒムレYH

ヒムレYH

今日は10時に出発し115km走ったが苦痛ではなかった。快晴だったからで雨の中を走るのは精神的に参ってしまう。


31日目:7月14日(火) 快晴 走行距離/累計78km/1,900km
ヒムレ ⇒ ファルケンベルグ ⇒ ティロサンド
宿泊:ティレバックYH
YHの前の農道から国道へ出てひたすら南へ走りファルケンベルグへ予定より早く到着。観光案内所で地図をもらいリングスガードの場所を聞く。ゴットランド島からフェリーでニューネスハムンへ行った時にYHで3人連れの女性に会った。そのうちのマデレイネさんがファルケンベルグの南のリングスガードに住んでいてと聞いていた。彼女に電話し家へ寄ることにした。
赤信号で待っている時に隣の自転車の男性に道を聞くと「ついて来い」と走り出す。一緒に走りながら彼が「昨日から4週間の夏休みに入ったのでよかったら家へ寄ってビールでも飲んでいかないか」と言う。こういう話には乗りたいのだが彼女と1時に会う約束なのでその旨話して残念ながら断った。

海岸の大きなキャンプ場を過ぎ先へ進むがどうも彼女の町を過ぎてしまったらしい。来た道へ戻り何人かに聞いて彼女の家へ行くことが出来た。
旦那さんに挨拶し、軽食とコーヒーをご馳走になっている時に男性(デンマーク人)が車でやって来て夫婦と話している。デンマーク人は、私のチャリ旅行に興味を持ち私が走ってきた道順を示すスウェーデン地図と私の写真を撮っていた。明日からファルケンベルグでジャズ祭があり旦那さんがコーディネーターをしている。車で来た彼はデンマークのミュージシャンだった。しばらくしてスウェーデンのミュージシャンが3人やって来て5人で打ち合わせを始めた。
彼女からアトリエ(油絵)と工房(ガラス絵皿)を見せてもらう。様々の号の油絵があり、カラーコピーの縮小版を10枚(展示会で販売している)もらった。工房には電気炉がありガラス絵皿の製造工程を説明してくれた。
彼女は友達と丘で油絵を描いていて中断し帰宅し私に会ったとのこと。絵を描いている友達を紹介したいと言うので車で丘へ向かった。年配の男性と女性の2人がいて挨拶をし絵を見せてもらった。私のテニス時代の友人2人(YさんとHさん)も油絵を趣味としているので2人ともこの丘から素晴らしい風景を描きたいだろうな。
マデレイネさんの家へ戻り、ご夫妻と庭を散策する。野イチゴやサクランボを摘み食べる。
長居すると迷惑なので出発することにしお礼を言うと、彼女は庭へ戻りサクランボがいっぱい入った袋を持って来た。お土産だと言う。
彼女の家へ行くのには苦労したが会って本当に良かった。旅の出会いは面白い!!

マデレイネさん夫妻

アトリエ

サクランボをもらった

海を右手に見ながら海岸沿いの道を快晴の空の下快適に走る。
海水浴場の浜辺で休憩。彼女からもらったサクランボを食べながら海水浴の家族連れを見る。
YHへ行く前にスーパーで夕食用の冷蔵ピザ、トマト、缶ビールそれに朝食用のミックスジュースを購入。

ティレバックYHの受付棟
ティレバックYHの宿泊棟
受付を終えて宿泊する棟へ行く。2段ベットの部屋に一人。シャワーを浴びに行くとシャワーを終えて大きなタオルに体を包んだ年配の女性が出て来た。男女共用のシャワーで少々戸惑ったった。今までのYHのシャワーは男女別々だったので共用は初めて。

別棟にある台所/食堂で冷蔵ピザを電子レンジに入れタイマーを10分にセットした(はずだった)。切ったトマトを食べながら缶ビールを飲む。
ピザの出来上がりを待ちながら今日のチャリの旅のメモを取る。
突然、リーン、リーンと大きな音が鳴り響く。そのうちに煙が充満してきた。 見ると電子レンジから煙が出ているではないか!! レンジの扉を開けてピザを見ると真っ黒になって煙が出ている。火災警報器が鳴ったのはこのせいだ。
台所/食堂には居間もありテレビを見ていた人達は外へ非難している。
真っ黒なピザを外へ出した。煙を外へ出すために部屋の窓を全て開けたが、大きな音の警報は止まらない。
宿直のおじさんが来たので事情を話し警報器を止めるよう頼んだ。
おじさん「受付の装置から自動的に地元の消防署へ通報がいっているので間もなく消防車が来る。それ迄は警報器は止まらない」
私「・・・・・・」 
外にはキャンプやYHで泊まる大勢の野次馬。
サイレンを鳴らしながら消防車が1台やって来た。消防士が受付の装置を操作し警報機は止まった。
完全装備の消防士5人(その内の2人は背中に酸素ボンベあり)をおじさんと一緒に食堂へ案内する。外においた証拠の真っ黒で固くなったピザを見せて原因を説明した。文句の一つも言われるのかと思ったが、隊長と思しき消防士曰く「これならフリスビーに使えるかな?」。思いがけないユーモアで肩の力が抜けた。これならユーモアを言っても叱られないと思い、「消防署もピザを20分レンジにかけるとどうなるかテストしたことはありますか?」と言うと笑っていた。結局、タイマーを10分でなく20分にセットした為だった。今回と同じことが日本で起こったら消防署/消防士の対応はどうだっろうか? 頭ごなしに怒るのかな。

部屋でクネッケ(スウェーデンの薄板状の乾パン)とビスケットで空腹を満たす。 マデレイネさんとの再会は最高だったが、今日の最後は消防車の出動とはヤレヤレ。明日は始末書の提出? それと消防車出動の費用の支払い?


32日目:7月15日(水) 快晴 走行距離/累計105km/2,005km
ティロサンド ⇒ ハルムスタッド ⇒ エンゲルホルム ⇒ ヘガネス
宿泊:ハンス・サーディエルムさん宅
食堂で朝食中、女性が「昨晩よく眠れた?」と言う。この女性は昨晩の煙の件を知っているのだろうか。単に朝の挨拶と思うが・・・・。
受付で部屋の鍵を返そうとしたら担当の女性は奥で電話中。待っていたがなかなか電話が終わらないので同じく待っていた男性に鍵を預けて受付に返すよう頼んだ。始末書を出さずに済んだ?

松並木の快適な道を進む。北海道のサロマ湖のキャンプ場へ行く時と同じような風景だ。ハルムスタッドの中心街を走る。この町に親会社のアトマイズ鉄粉工場がある。寄って行こうかと思ったが、今晩泊まるハンスさんの家へ5時〜6時に着くことになっているので諦めた。彼と奥さんはその時刻に合わせて夕食の支度をしヘガネスの友人たちもその頃に集まっているはずだ。出来るだけ彼の家へ近ずいておこう。

海岸近くに小さなホテルがあり、しゃれた庭にテーブルとイスがあった。このホテルでランチとする。ハムとチーズのオープンサンドとコーヒーで80SEK(1,040円)。中にあるレストランでなく庭に持ってきてもらいゆっくりとランチを楽しむ。
ホテルの人にエンゲルホルムへの道を聞いて出発。

ホテルのレストラン

ランチ

バスタッドからエンゲルホルムまでは半島の丘を越えることになる。想像した通りかなりきつい丘を越える。前のギア39枚ではこの長い上り坂は非常に辛い。
辛い上りを自分を元気ずけながらペダルを漕ぐ。
ついに丘の頂上に到着。向こうに湾が見えた。モレのある岬も見える。
ごほうびの長い下り坂!!

飛行機が飛んでいる。しばらく進むとエンゲルホルム空港の滑走路のはずれの道を走る。
23年前の1986年9月に親会社での研修を終えて、この空港からストックホルムの空港まで飛行機に乗った。あれから23年経ったのか!!

エンゲルホルムの観光案内所でヘガネスまでの地図をもらう。応対してくれた女性はイングリッド・バーグマンに似て上品な感じのきれいな人だった。多分、刺青はしていないだろう・・・と勝手に思う。観光案内所の前の広場で大勢の人が休んでいる。

海岸沿いの小さな道の交差点に出た。念のために道を聞いた方がいいと思い歩いている人を探すが、まったく人がいない。近くの家へ行き玄関の呼び鈴を鳴らすと、ハルさん(100才で天寿をまっとうした母の名前)に似たおばあさんが出てきてスウェーデン語で何か言っている。彼女は英語がわからないのでお互いに手で行き先方向を確認した。
この小さな道は宮崎駿のアニメに出てきそうな素敵な道だった。

ヘガネス町の看板
ついにヘガネスの町の看板を見つけた。やはり感無量である。町の中にある観光案内所へ行く途中にヘガネス社があったが明日以降にゆっくり見ることにした。

ヘガネス社の案内看板

ヘガネス社

観光案内所でヘガネス町の詳細な地図をもらいハンスさんの家へ電話する。彼の家はここから5〜6km北のニィハムスラーギャにあり自転車を進める。
ハンスさんの家へ到着!! 達成感と安堵感から庭の芝生に仰向けになる。会社の人たちは裏庭で待っている。
ゲストハウスに案内されシャワーを浴び着替えてから裏庭へ行った。懐かしい顔が見える。ハンス・サーディエルム夫妻と娘のイーダと息子とその彼女(スイス人)、アーリック・ダニエルソン社長、ヤリ・アルトネン夫妻と息子家族(奥さんと幼児)、ウルフ・エングストローム夫妻、ビヨン・リンドクビィストさん。皆さんに挨拶をする。
ヘガネス社の人たちと家族
庭にある大きなテーブルにご馳走と飲み物があり、まづ乾杯!!
しばらく歓談の後、皆さんに感謝のスピーチをする。テーブルの上のご馳走は、あくまで前菜だった。
雨が降り出したので家の中へ入る。社長が笑いながら「マーフィの法則を知っているか? みんなが家の中へ入ってしばらくすると雨は止むよ」と言う。
家の中の大きなテ−ブルの上に色々な料理がある。ボイルしたエビとカニ、生のサーモン、焼いたサーモン、チーズ、サラダ、各種パンなど。
写真を撮ろうとしたらハンスさんが「ゲストが先に料理を取らないと次の人が取れない。まづ好きなものを皿に取り、次の間のテーブルへ行け」と言うので写真は諦めた。写真を撮っておけばよかったのになあ〜。
次の間へ移動すると大きな応接室で部屋の大きさに相応しい大きなテーブルがある。私はゲストなので一番いい席に座らされ全員が着席したところで食事の開始。酒を飲み料理を食べながら会話を楽しむ。
食事を終えてから庭のテーブルへ移動する。ブランデー、ウィスキー、焼酎などのアルコールとコーヒーが置いてある。
各自が好きな飲み物を飲みながら会話。
ハンスさんの息子の彼女はスイスの学校で日本人の女の子と同じクラスだったとのこと。日本語で「イチ、ニー、サン、・・・・、ジュウ」と数を覚えていた。又、柔道はグリーンベルトだそうだ。
最後はコーヒー。
ゲストが来た時のゆとりのある食事とゆったりとした時間の過ごし方はすごい!! 


ヤリさんの家族

ゲストハウスへ戻り床につくが、ヘガネスへ無事に着きほぼ旅を終えようとしている安心感と今までのサイクリング中の出来事があれこれ浮かんできてなかなか眠れなかった。


33日目:7月16日(木) 快晴 走行距離/累計16km/2,021km
ハンスさん宅 ⇒ ルネ・ペターソン宅
宿泊:ルネさん宅
ハンスさんの家は広い敷地にプールがあり、邸宅(家と言うより邸宅と呼んだ方がふさわしい)と昨晩泊まった別棟のゲストハウスがある。
昨晩、「家族は朝出かけるが、明日の朝はゆっくりしていていいよ」と彼が言っていたのでその通りにした。
念のために家をノックするが誰もいなかった。家のあちこちの写真を撮る。

ハンスさん邸宅

プール

ゲストハウス

ハンスさんの家を出発し、のんびりゆっくりと海岸沿いのサイクリングロードをヘガネスへ向かう。
ヘガネス社へ立ち寄る。夏休み中で事務所も工場も開いていない。何回か出張で来たが、自転車で来るとは夢のようだ。

ヘガネス社

中央研究所

事務所棟

事務所棟

街の中のタイ料理店で朝食兼昼食。牛肉と野菜のタイ式カレーとタイ米で91SEK、コーヒー20SEK。久し振りの米とカレーで満足。今晩泊るルネさんの家へは午後4時頃に行くのでこのレストランでゆっくりと日記を書く。店で働いている女性は中国人だった。
今までのように80kmも100kmも自転車で走らなくていいので気分はゆったりだ。
自転車屋があり店の中を見る。海岸へ行くと大勢の人が泳いでいる。日光浴の人も多い。
海辺のレストランの外の席でゆっくりと生ビールを味わう。うま〜い!! ゆったりとした時間が流れている。ここでもゆっくりと時間を過ごす。
隣の売店でアイスクリームを買いヨットハーバーにある長イスに座って食べる。先へ急がなくともよいというのは、こんなにも気持ちをゆっくりとしてくれるものなのか!!

自転車屋さん

自転車屋さん

海辺のレストラン

観光案内所でもらった地図を見ながらルネさんから聞いていた住所へ進む。しかし、わからないので観光案内所へ行き彼に電話して案内所の女性と話してもらい地図に印をつけて再び彼の家を目指す。
印の場所へ行くが彼の家はわからない。電話して教会の前に迎えに来てもらうことにした。4〜5分して彼が自転車でやって来た。

彼とは何年ぶりに会うのだろうか。彼は日本での合弁会社時代の初代社長で1984年に来日し1989年にスウェーデンへ戻った。スウェーデンへ出張した時に2〜3度会ったことがあったが10年以上会っていなかった。
彼は開口一番「お前は全然変わっていないな〜。その髪は染めているのか!?」と言う。
彼の家で奥さんのサンドラさんに会う。彼女とは20年振りの再会。シャワーの後、庭のテーブルで乾杯!! 昔話をあれこれ話す。通りの向こう側は海。太陽がまだ沈まない。冷えたビールの心地よい酔いに身をまかせる。
夕食はレストランからテイクアウトするのでタイ料理、中華料理、etc、何がいいかと言うので中華を頼む。2階のテラスへ移動しルネさんと飲む。間もなくサンドラさんが中華料理持ってきて食事を始める。中華は美味しくアルコールも程よく回って2人とゆったりとお喋りを楽しみ夢のようだ。

テラスで夕食

テラスで夕食

テラスでの食後に応接室へ戻り、ウィスキーを飲みながら話の再開。サンドラさんが日本時代のアルバムを6冊(1冊が厚い!)持って来た。私を挟んで2人が座りアルバムの写真を説明してくれる。ウィスキーの酔いと眠気で残りの2〜3冊を見るのがしんどくなってきた。
2人は日本時代の思い出話をし写真を見ているのでつき合うしかない。日本とスウェーデンの友好関係強化のために最後までアルバムを見た。


34日目:7月17日(金) 快晴 走行距離/累計37km/2,058km
ルネさん宅 ⇒ モレ ⇒ クラベリ ⇒ モレ⇒ ルネさん宅
宿泊:ルネさん宅
ルネさん宅プール
本来、本チャンの旅が終了してから骨休めに「おまけの旅」をするのだが、明日の1日を残して今日はヘガネスで休養日なので「おまけの旅」とする。自転車でヘガネスの北の岬のモレとクラベリへ行くことにした。
プールの傍のテーブルで三人で朝食。ゆったりとした食事で気分がよい。ランチ用にとサンドイッチ2ケとリンゴ2個をもらい出発。

朝食

朝食

前のバック1つのみで快適に走る。後ろのバック2つの重さがなくこの状態で自転車旅行を続けることが出来たらどんなに快適だろう。岬のふもとにあるモレの町へ向けてサイクリング道路を走る。

モレ
クラベリ灯台
モレの港に到着。陽射しが強いので日焼け止めクリームを顔、腕と足にたっぷりと塗る。岬の突端のクラベリへの坂道を進む。岬にある灯台へはヘガネス社の人と車で来たことがあるが、まさかここへ自転車で来るとはね! 
灯台からの景色を楽しむ。大勢の人が来ている。毎年、この断崖で落下事故があるそうだ。

クラベリ

クラベリ

帰りは快適な下り坂を楽しむ。
モレの港でランチ

ルネさんの家へ戻るまで時間はたっぷりあるのでヘガネス社の工場へ行った。工場の門に守衛さんがいないのでそのまま広い工場内を走る。昔、日本のお客さんをこの工場へ案内したこともあったな。

ヘガネス社工場内看板

ヘガネス社デスタロイ工場

街の中の広場でコーヒーとケーキで休憩。明日の段取りを考える。明日はヘルシンボリまで走り今回の自転車の旅は終わる。ヘルシンボリがスウェーデン側の出発点だったのでこれでスウェーデン南部一周の旅が完了となる。

ルネさんの家へ帰る。見晴らしのよい2階のテラスで夕食。沖合いをコペンハーゲンからオスロへ向かう大型フェリーが7時頃通過した。ルネさんの家の2階のテラスで沖の大型フェリーを見ながら食事をするとはなんと贅沢な一時だろう。

夕食

夕食

沖に大型フェリー

食後、室内へもどりウィスキー、コーヒーとポップコーンで2次会。夜もふけてきたのに2人の馴れ初めを聞いてしまった。それから30分位馴れ初めを聞くことになった。元はと言えば私が営業精神を出して馴れ初めを聞いた為で眠かったが我慢して聞いた。サンドラさんは寝るために部屋へ戻った。その後もルネさんと色々な話をする。もう夜中の1時だ! もう限界だ。部屋へ戻ってバタンキュー。


35日目:7月18日(土) 雨 走行距離/累計23km/2,081km
ルネさん宅 ⇒ ヘルシンボリ ⇒ マルメ ⇒ コペンハーゲン
宿泊:アマーYH
ヴィーケンのレストラン
ルネさんの家を出る時は小雨。サンドラさんは別れの涙雨と言う。
雨具を着て袋にカバーをかぶせて出発。2人にお別れの挨拶をする時に涙が出そうになったがこらえた。

教えてもらった海岸沿いのサイクリングロードを走る。ヴィーケンで小休止。初めてスウェーデンへ研修で来た時に研究所長のヤン・テングゼリウスさんがこのレストランへ招待してくれた。その時にグリルした大きなヒラメを食べたことを今でも覚えている。

雨の中を走ると大きなお城のような建物があった。最初、国王が昔夏場の避暑地として使ったお城かと思ったが違った。

雨が激しくなってきたので、大きなお城のソフィエルーの入口門の前で雨宿りする。このお城へは来たことがある。昔、国王が夏に過ごすお城として使われていて今は一般の人に開放されている。ヘガネス社で会議中のイベントとしてパーティがあり参加したこともあった
向こうに街が見え海岸沿いの道を進むと海峡を挟んだデンマークのヘルシンオアにある「クロンボー城」(シェイクスピアのハムレットの舞台となった)がかすかに見える。

お城

SOFLO

ヘルシンボリ市庁舎
駅の地下ホーム
小降りになったのでSOFLOから走出すと下り坂となり先に海が見える。海岸沿いの道を走ると海峡の対岸に「クロンボー城」が近くに見える。晴れていれば眺めは最高なのだが残念。ヘルシンボリ市庁舎の建物が先に見えてさらに走る。

ついにヘルシンボリに到着。駅へ行き、濡れた雨具を脱ぎ雨具を拭いてザックにしまう。駅の切符売り場でカストロップ空港(コペンハーゲン)への乗車券を買う。自転車のままで電車に乗せられるとのこと。
地下ホームに自転車のままエレベータに乗り、ホームへ出る。電車が入って来るが、自転車をどの車両に乗せてよいのか分からない。自転車の女性が2人いたのでその後ろに続いて電車に乗った。自転車を置ける車両ですでに4台置いてあった。 倒れないようにロープをかけ電車の取っ手に止めておいた。



電車内の自転車
輪行袋/カストロップ空港
先月16日にトステが住んでいるヘルシンボリから自転車でマルメへ走った時は苦労したが、マルメまで電車でたった40分!!  
座席の斜め前にイングリッド・バーグマンに似た若い美人さんが座っている。マルメ駅で15分停車の後、デンマークへ向け発車。
海峡にトンネルと橋がかかっていて電車と車が走れるようになっている。
自転車の旅が今日完了したことの疲れもあり電車で眠ってしまった。

カストロップ空港駅で自転車とともに下車。空港前の広いスペースで自転車を分解し輪行袋に入れて荷物預かり所に預ける。明日受け取る時に60DKK払えばよいとのこと。

空港から電車と地下鉄に乗り最寄の駅から30分位歩いてYHへ行った。
YHの前に駐車している車があり、上に自転車を載せている。時間は午後8時半だが外はまだ明るい。
中2階の談話室でビールを飲みながらデジカメの写真を見て今回のチャリの旅を思い出しながらじっくりと楽しむ。周りの家族連れはトランプで盛り上がっている。
コペンハーゲンのYH前


36日目:7月19日(日) 快晴  
カストロップ空港(コペンハーゲン) ⇒ 成田空港
昨晩、部屋へ12時頃戻ると巨漢の人が2段ベットの上ですでに寝ていた。
ものすごいイビキなので耳栓をするが眠れなかった。時計を見ると午前2時。部屋には他に2人いるはずだが外出から帰ってきておらずベットが空いている。少しでもイビキの人から離れたいので空いているベットへ移る。しかし、やはり眠れない。
部屋を変えてもらおうと受付へ行くが終了していた。
仕方なくマクラと掛け布団を持って中2階の会議室へ行き長いソファーで寝た。うとうと眠っていたら、YHの人が来て会議室の灯りをつけ「ここで寝てはいけない」と言う。
イビキの件を話そうと思ったが、起こされて頭はもうろうとしている。会議室の時計は午前4時をさしていた。
部屋へ戻るとイビキの人は連続でなく時々になっていたので少し眠ることができた。7時半起床。寝不足。地下鉄の駅Bella Centerへ向かう途中にスーパーがあり買い物をする。
晴れていればコペンハーゲンの中心街へ行き散策するが雨なので空港でゆっくりと過ごす。
預けておいた自転車を受け取り、SAS(スカンジナビア航空)のカウンターで手続きをする。自転車、バックと荷物を入れた輪行袋の重さは25kg。

飛行機の隣の席はアイスランドへ釣りに行った日本の男性だった。彼はスウェーデンをチャリで旅行した小生に驚いていたが、小生はアイスランドで釣りをした彼に驚いた。


37日目:7月20日(月)

成田空港着:午前9時35分
蒸し暑い日本の夏へ戻ってきた。
自転車の入った輪行袋をカートに乗せ通関を出た。歩いているおじさんが「海外を自転車で走りたいのだが飛行機に預ける時の梱包方法を教えてくれませんか」と聞いてきたので小生の場合の方法を説明した。

帰宅。昼食は熱いラーメン。
無事にスウェーデン南部を1周することが出来た。お疲れさんでした!!


旅を終えて


スウェーデン南部の旅(2009年6-7月)


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