7月8日〜7月12日


25日目:7月8日(水) 晴時々雨 走行距離/累計66km/1,402km
リンシェーピンフ ⇒ モータラ(Motala)
宿泊:モータラ・ヴァラモンYH
ホテル/YHを出て中心街にあるスポーツ用品店へ行く。吉祥寺の自転車専門店で買ったサングラスなのにストックホルムで無くしてしまった。物価の高いスウェーデンでサングラスを泣く泣く買う。

ヨータ運河・閘門に注水
運河沿いの道
郊外の自転車専用道路を快適に走る。
先へ走るとキャンプ場がある。ここは湖から運河への出入口であり大勢の人が運河の閘門の開閉/注排水それにヨットやボートの通過するのを見学している。 ヨツトが来るたびにこの光景が繰り返されて見ていて飽きない。バルト海に面したストックホルムと北海に面したイェーテボリの間の運河、湖、内海を含めた515kmもの水路をクルーズ船も運航している。船旅が好きな人やスウェーデンをゆっくり楽しみたい人にお薦めである。

ヨット通過

ゲート開く

運河沿いは歩く人と自転車の専用道路。車がいなく気持ちよく走る。
観光船がやって来る。運河に架かる小さい橋が横方向にスライドし船が通過して行く。

小さい橋が横移動

観光船

観光船が通過

羊の群れ

雨雲が近づいてきて間もなく大雨になり大きな木の下で雨宿り。
昼食のサンドイッチとゆで卵を食べる。隣の木の下で雨宿り中の20頭位の羊が食事中の私を見ている。昼食を終え雨も上がった。一番大きい羊がこちらへ向かって来て自転車のバックの中を開けようとする。他の羊も寄って来て同じようにバックの中に食べ物がないかどうかメエ〜メエ〜鳴きながら探ろうとする。
羊はおとなしいイメージがあるが大きいのは迫力があるし20頭もの羊に取り囲まれると恐怖を感じる。
思わず日本語で「おじさんはこれから出発するんだ〜。何もないからドケ〜!!」と叫びやっと羊の群れから力ずくで脱出。

スウェーデンで二番目に大きいヴェッテルン湖の湖畔にあるモータラに到着。大きなクランクシャフトが展示されている。説明文要約「舶用エンジン用のクランクシャフトは、1822年設立のMotala Verksatad社で製造されてきた。1970年代、この会社は舶用クランクシャフトの世界トップメーカーの一つであった。1979年に製造を中止した。ここにあるクランクシャフトは1955年にロータリークラブにより寄贈された」

クランクシャフト

ヴェッテルン湖/モータラ

YHは2段ベット2つの部屋で1人だけ。 ヨータ運河沿いの道は舗装されてなく、大雨の後、水溜りがあちこちにできてぬかるみ状態だった。泥除けなしで走って来た為に自転車は泥だらけなので水道水でしっかりと洗った。

ヘガネスに住んでいるルネ・ペターソンさんへ電話する。ハンスさんの家へ今月15日に行くことになったので、16日と17日の都合を聞いたら両日ともOKだった。ヘガネスは雨が続いているそうで後半に向かう先だが天気が快復していることを祈る。


26日目:7月9日(木) 雨 走行距離/累計87km/1,489km
モータラ ⇒ オデンショ ⇒ ヴィシングソー島(Visingso)
宿泊:エスクジョーYH
朝から雨なので雨具を着て出発。市内のガソリンスタンドで給油中の人に道を聞くと「イギリスから旅行に来ているのでわからない」との返事。雨は止みそうにないのでペダルを漕いで先へ進む。

ドライブイン
雨具乾燥中
Odenshog と看板に出ている町に入る。
多くのトラックが駐車しているドライブインへ寄る。雨も強いのでここでランチと休憩としよう。雨具を少しでも乾かす為に自転車にかけておいた。お客さんが多くいて食事している。肉入りのカレー風のものが3種類とポテトとライスがそれぞれ蓋の付いた入れ物にあり、皿にライスを盛り、その上にカレー風のものを2種類かけた。さらにジュースとコーヒーもつけて79SEK(約1,200円)の安さ。外は雨だがこのランチは楽しかった。売店の人にこれから行く島への道を聞くと親切に教えてくれた。
大声で叫んで笑っている上半身裸の3人の若者が店へ入ってきた。ドラッグ? ただの酔っ払い? 外は15度位なのに上半身裸とは・・・・。3人とも刺青をしている。ビヨンリンデのYHで会ったスウェーデン人の言っていた言葉を思い出した。「彼らが40代、50代になって刺青をしたことを後悔するのでは」。
昨日、ヨータ運河で会ったサイクリング中のカップル(ヨテボリの学生)は2人とも笑顔が素敵で爽やかだった。
この酔っ払いの刺青をした上半身裸の3人を見て「スウェーデンの若者は・・・・」と言うのは止めよう。どこの国にも様々な若者がいる。

右手に湖を見ながら道路標識で行き先を確認しながら走る。
ヴィシングソー島へ渡るフェリーの出る町に到着。港でしばし休憩してから乗船。荷物を付けたままの自転車を船首近くに置いて船室へ入る。出航後、前からの大きな波が何度も車や自転車にかかる。

道路標識

フェリー乗り場

フェリーに乗せた自転車

20分位で島へ到着。ひっそりとした島の道をYHまで進む。受付の年配の女性は無愛想でキッチンやシャワーの説明もせず部屋の鍵を渡してくれた。
今日の雨とフェリーが運航中に波をかぶった為に自転車のバックの中のパンフ類はグッショリ濡れていた。パンフ類を部屋の床やソファーに広げて乾かす。部屋は一人部屋を予約しておいたので正解。

ヴィシングソー島の港

パンフ類乾燥中


27日目:7月10日(金) 曇後晴時々雨 走行距離/累計136km/1,625km
ヴィシングソー島 ⇒ ヨンシェーピング ⇒ ボロース (Boras)
宿泊:ボロースYH
ストックホルムから来ている隣の部屋の中年の夫婦は大きな犬を連れている。ゴットランド島へも行ったことがあり話がはずんだ。小雨なのでバックにカバーをかけ雨具を着て出発。雨も降っているし時間も考えてこの島を見学せず港へ走る。教会があり写真を撮る。走り出したら別の角度からの方が教会がきれいに見えるので砂利道を急ハンドルをきった。再び写真を撮って港へ向かうが何となく後ろのタイヤが変だ。パンクか? 北海道一周の時もパンクしなかったのにスウェ−デンでパンクなのか? 空気はまだ入っているようなので走る。港の近くに城跡があり小休止。
港の事務所で乗船券を買おうとしたら島へ来る時に払っているのでいらないとのこと。
そうか、昨日の乗船券の80SEK(人50SEK+自転車30SEK)は往復だった。
島へ来るときと違い、船尾側に自転車を置いた。航行中、船首側は波しぶきがかかっていた。

Brahe教会

城跡

フェリーより城跡を見る

湖の南端にあるヨンシェーピングはなかなか雰囲気の良い町でここで泊まるのもいいかなと思った。
観光案内所でボロースへの道を聞くと「40号線が簡単」と言う。確かにもらった地図を見るとサイクリングの道は南北へ何度も行ったり来たりで距離があり時間もかかりそうなので40号線にした。
40号線はスピードを出している車が多く慎重に右側の側線の内を走る。途中、ボロースのYHへ「6時までに着けない。8時頃になると思う」と携帯で連絡する。雨が激しくなってきた。

Uricehamnの町を通過する。ここまでの走行距離102km。この町で泊まれば良かったのだが、ここから34km先にある町 Boras にしてしまった。計画が甘かった。

どしゃ降りの中を走る。右側のバス停から大型バスが出てきた。バスの運転手さんに手を上げてバスの前を横切り側線へ進む。バスが止まり、乗降口の扉が開いて運転席から運転手さん(太ったおばちゃん)が大声で「ここは高速道路なので自転車は走れない!! 戻って一般の道を走りなさい!!」と怒った顔で叫ぶ。え〜誰も40号線は高速道路と言っていなかったのに? バスのお客さん達もこちらを見ている。雨の中を運転手さんと議論しても時間の無駄なので一応「すみませんでした」と誤り自転車から降りて後ろ方向へ進んだ。
しかし、詳細の地図もなくこの雨の中をどうやって一般道を探して次の町まで行けるのか? 
違反だが高速道路を進むしかないと判断した。あのおばちゃんのバスが先に見えないのを確認してから再び高速道路を走り出す。

強い雨の中を注意して進み、やっとボロースの町への一般道路の標識を見つけそちらへ走る。YHへ電話したが場所がよく分からないので町の中心から再度電話することにした。スーパーを見つけレジの女性に携帯を渡してYHと連絡してもらった。
レジの女性曰く「YHはここから遠い街はずれのキャンプ場にあるのでバスで行った方が良い」。夜10時前でありこれから自転車を分解し袋に入れてバスに乗るのは大変なことだ。
レジの女性にワゴンタイプのタクシーを呼んでもらいスーパーの前で待つことにした。タクシーの運転手さんはトルコ人で「寿司は食べず嫌いだったが一度食べてみて好きになった。友人の妹が日本のマンガが好きでマンガを上手に描く」とべらべら話す。10時を過ぎていて早くYHへ着きたいので適当に返事をした。
タクシー代をクレジットカードで払うので渡すと、「このカードは使えない」と言う。スウェーデンで何回も使っているカードなのになぜ? 聞いてみたらカード番号が凸になっているカードを専用の器具でガチャンとスライドさせる方式であった。渡したカードは番号が印字されているタイプのものでだった。別のカード(カード番号が凸)を出して精算出来た。YHで受付したのが夜10時20分。

雨の中を140km近く走り、写真を撮る余裕もなく今日は最悪の一日だった。


28日目:7月11日(土) 晴時々雨 走行距離/累計82km/1,707km
ボロース ⇒ ヨッテボリ
宿泊:ヨッテボリ・YH
ボロースYH
昨日の疲れがあったのか10時頃まで寝てしまった。YHを11時に出発。今までで一番遅い出発だがヨッテボリまで約80km。Old40(旧国道40号線)を走るので気楽にヨッテボリまで行けるはずと思う。
歩いている3〜4人に聞きながらボロースの郊外へ出た。車も少なく快調に走る。

ショッピングセンターがありファーストフードの店で小休止。コーヒーとスナックで安かったが現金を手元に持っていたいのでカードで支払う。小さな地元の店でおじさん一人が調理しレジもやっている。レシートに漢字でサインすると、レジの奥へ連れて行かれてボードにサイン済みのレシートをピンで止めて、「前に日本人が一人来た時に漢字のサインをもらったのでこのボードに貼っておいた。お前のも記念に貼っておくよ」とお笑いながら話す。感じの良いおじさんで日本語の挨拶言葉を聞かれたのでローマ字で紙に書いた。ヨッテボリまでの道を親切に教えてくれた。

ヨッテボリへの道路標識

小さな湖

小さな町をいくつか過ぎる。初めての町で不安だが、おじさんの教えてくれた町の名前なので先へ進む。
小さな田舎道をスケボーしている若者に念のために道を確認する。日本にいるスケボーのお兄ちゃんのようだ。

ヨッテボリの郊外にチボリ公園(コペンハーゲン)のような大きな遊園地があり家族連れが遊んでいる。
ヨッテボリ中央駅に到着。ついにイェーテボリまで自転車でやって来た。この町へ来たのは20年前位になるかな。スウェーデンの親会社へ出張中、休日にヘルシンボリから列車でこの町へ日帰りで遊びに来たことがある。

ヨッテボリ中央駅に到着。ここから港へ向かい海沿いを走る。大型のフェリーが出港中。突然の大雨で倉庫のひさしで雨宿り。YHへ到着し自転車を中庭に通じる場所に置いた。部屋は2段ベットが4つの8人部屋。オランダ人、イタリア人、スウェーデン人、それに遅くなってから4人のスペイン人が来て満室になった。

ヨッテボリ中央駅

ヨッテボリ港


29日目:7月12日(日) 快晴 走行距離/累計0km/1,707km
ヨッテボリ市内見学
宿泊:前日と同じYH
ヨッテボリは、スウェーデン第2の都市で自動車メーカーぼボルボやボールベアリングのSKF(エスコーエフ)、溶接機械のESAB(エーサブ)などの本社がある。
今日は市内見学。
10時からオープンの海洋センターへ入る。ここは船好きな人にはたまらない場所で、現役を退いて係留されている本物の駆逐艦、潜水艦や一般の船がなんと12隻!! それぞれ船橋、居室やエンジン・ルームを見学出来る。駆逐艦スモーランド号HMS Smalandの内部は十分に時間をかけて見た。
潜水艦ノール・カバレン号Nord Kaparen、消防艇、灯台船、貨物船など全て見学。
マルメの海洋・技術博物館の潜水艦U3号の内部も見学したが、潜水艦ノール・カバレン号の内部も狭く、前部の魚雷(4門)発射スペースに乗組員のボンク(カイコ棚式のベット)がありこの狭い場所で寝ていた。艦長室も狭く乗組員の一体感が生まれる訳と納得した。

海洋センター

灯台船

消防艇

潜水艦

パトロール艦

駆逐艦
ヤーウェイのボイラ水面計
一通り十分に見た後、小さな船がレストランになっていてそこで昼食。
12時半から英語によるツアーガイドがあるので参加した。スロベニア人の老夫婦2人と私の計3人の参加者。参加して良かった。説明によってさらに理解が深まった。駆逐艦の砲撃装置がボフォースなのでガイドの人に質問すると、「なぜ日本人がボフォースを知っているのか」と驚いていた。やはりガデリウス時代にこの装置を扱っている部署があり知っていた。
見学者の中でサンロッドの油熱交換器、アトラスの空気圧縮機それにアセアの発電機/電動機などを探している人は私くらいだろう。
これらの機器類はガデリウスに勤務している時に営業したり他の部署で扱っていたのでよく知っている。
海洋センターを出たのが午後2時、なんと4時間もいた。

アトラスコプコの空気圧縮機

アセアの電動機

展望階のある高層ビル
オペラセンターの隣りにある見晴らし塔(高層ビルの中にある)86mから街を眺めたいので1階の受付で申し込む。30SEKのスウェーテ゛ンの現金でしか入場出来ずカードやユーロは使えないとのこと。スウェーデンへ来てから博物館などはカードが使えたのに現金は20SEKしか持っていない。諦めて外へ出ようとすると
受付の若い女性「いいです。20SEKで入っていいです」
驚いた私「いいんですか?」
彼女は、エレベーターの中の装置に専用のキーを入れて「22階へ行きなさい。帰りはEのボタンを押して降りてきて」
確かに360度のパノラマは素晴らしかった!!
十分に眺めを楽しんでエレベーターで下へ降り受付の女性に再びお礼を言う。
私「どうして入れてくれたのですか?」
彼女「あなたは、いい人そうに見えたのでそうしただけです」
外へ出てから彼女の写真を撮りたいと思い受付へ戻った。
私「家族や友人にあなたの親切を話したいので写真を撮らせてください」
なんと彼女は恥ずかしがって事務所の奥に行ってしまった。
なんとかお願いして写真を撮ることができた。
スウェーデンの都市のあちこちで刺青をし口にピアスをした若い女性を何人か見てきた。彼女は口にピアスもしていなく、刺青のなさそうな(多分)素直な感じで新鮮だった。

展望階からの眺め

展望階からの眺め

純情な女性

市立博物館へ入館したのが午後4時。閉館の5時まで1時間しかないが見学する。面白い展示が多く早く入館すればよかった。バイキング時代の前後の流れの展示が興味深かった。博物館はスウェーデン東インド会社が使っていた建物である。

市立博物館

市立博物館

広場にある観光案内所へ行き明日から走るルートの地図をもらった。

市電

広場

広場

街の中には寿司レストランが何軒かある。話の種に食べてみればよかったかな・・・・・。

寿司レストラン

寿司レストラン

寿司レストラン

昨晩、YHの部屋にいたスペイン人は今朝早く出発しオーストラリアの若者が加わった。彼のクセのあるオーストラリア英語に苦労しながら世間話をする。
オランダ人は明日、高速バスに乗りオスロ(ノルウェーの首都)へ行くとのこと。約4時間で行くそうだ。

今日は天気もよく楽しい一日だった。


7月13日〜7月20日


スウェーデン南部の旅(2009年6-7月) 


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